均衡性を生む食事

均衡性を生む食事

新鮮な桃や、スイカが美味しい季節となりました。

さて、心身を健全に保つ上で、古今東西、食事の大切さは説かれていることと思います。そんな食事の要点は、以前「消化器」の考察部分でお話をしました。

今日は、別の角度から食事について考察してみましょう。



● 均衡性:サットウィック

記憶によりますと古典『ヨガ・スートラ』に食事に対する解説はなかったように思います。一方、ハタ・ヨガ経典『ハタ・ヨガ・プラディーピカー』では、第1章ー体位法の解説に進む前に以下のようにあります。

ヨガは次の6つのことがらによって失敗する。

過食、過労、戒律への固執、交際、落ち着きのないこと。

そしてまた、第2章ー調気法の解説に進む前に以下のようにあります。

ヨガ行者は体位が確実にできるようになったうえで感覚を克服し、健全食をほどほどにとり、師に教えられた方式に従って調気法を修練すべきである。

このように経典には、食事についての注意がさらりと喚起されていますが、これらの要点は、心身がローテンション(鎮静)やハイテンション(興奮)に傾かず、バランス(均衡)の取れた状態を保つためと言えるでしょう。

体位法や瞑想法の最中に、動きたくなったり、リキみたくなったり、心が散漫するようならエネルギーが興奮性(交感神経優位)に傾いているかもしれません。逆に動きたくなかったり、腑抜けたり、眠くなったりするようならエネルギーが鎮静性(副交感神経優位)に傾いているかもしれません。

冷静沈着を要するヨガ行者は、これらの両極に陥らないよう、腑抜けずリキまず均衡性を保っておくことが大切です。



● 3つの性質:トリグナ

ところで古来インドでは、エネルギーを3つの性質で説いています。

① 純性(均衡性):サットワ
② 動性(興奮性):ラジャス
③ 鈍性(鎮静性):タマス

無論、人の心身においても、この3つの性質が作用していると説いています。

そして食事によっても、心身のエネルギー状態は変化することを説いています。

① 均衡性を生む食事:サットウィック
② 興奮性を生む食事:ラジャシック
③ 鎮静性を生む食事:タマシック

現代的に表現するなら、

① 均衡性を生む食事:新鮮:消化吸収排泄が温和で自律神経を極端に刺激しない食事
② 興奮性を生む食事:刺激:消化吸収排泄が急激で交感神経を優位にする食事
③ 鎮静性を生む食事:陳腐:消化吸収排泄が停滞し副交感神経を優位にする食事

⇒ 自律神経についてはこちら

よくは知りませんが、インドでは古来、何が均衡性、興奮性、鎮静性を生む食材か、また調理法かを具体的にも示しているようです。

無論、日本においても禅宗から生まれたとされる精進料理は均衡性を生む食事であることでしょう。



● 刺激(極端)を避ける

分かりやすく簡単に言ってしまえば大方、常習性のある嗜好品と呼ばれる物は、心身を極端に刺激する刺激物であり、興奮性に傾ける作用があることでしょう。

冷静沈着を要するヨガ行者は、心理的にも、生理的にも、刺激を避けるのが賢明です。

先日ご紹介した「エマダツィ」ですか!? 玉ねぎはよく煮込んでいるのでまだしもですが、唐辛子の辛味は十分に残っている、興奮性に傾ける料理ですね。

まあ、健全食をほどほどに……です。

何を・いつ・どのくらい・どのように食べたら?

・ 心身が鋭敏で冴えた興奮的な躁的状態になるか?

・ 心身が愚鈍で眠たく鎮静的な鬱的状態になるか?

経験と照らし合わせ、心身の均衡性を生む食事を心がければよいのです。

何事も固執せず、何事も心身の状態に合わせていきましょう。


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