合掌の印相

こんにちは、尾山です。

これから「姿勢」についてのお話をします。必ず、「正しい姿勢」からお読みください。まずは「正しい姿勢」を頭で理解し、「正しい姿勢」に対するこれまでの誤解を解き、観念を破壊し、新しく構築していくことから始めることが大切です。そしてその理解を基に実践に移し、真偽のほどを自身で確認するのです。


さて、日本人にもお馴染みの「合掌」と呼ばれる印相のお話です。


「合掌」は、インド古来の礼拝姿勢であり、相手に対する感謝、敬意、祈願などを示す態度とされています。ヨガなどでは『Añjalimudrā(アンジャリムドラー)』と呼ばれています。「印相(ムドラー)」とは、ある特定の対象を象徴する姿形とされ、心身をある特定の状態へ導くために使用されています。特に手形による印相は「手印」と呼ばれています。

1.起立姿勢における合掌

合掌1


2.前屈姿勢における合掌

合掌2


2つの絵図で、どちらが正しい姿勢でしょうか。絵図1は、一般的なヨガではよく行われている姿勢です(一般的には脚を内旋しています)。骨盤は起立し、背骨は中立した姿勢で合掌をしています。一方の絵図2は、日本人なら神社や寺院、仏壇や墓石の前面ではよく行われている姿勢でしょうし、座ってであれば食前食後にも行われている姿勢でしょう。正面からのアングルなので解りずらいですが、骨盤は後傾し、背骨は前屈した姿勢で合掌をしています。

どちらが正しい姿勢か以前に、おそらくパッと受ける印象も異なり、絵図1は平然としているように感じられ、絵図2は真摯に礼拝しているように感じられるのではないでしょうか。まんぐーす爺さんも説いているように、心の態度は自然と身体の態度に現れるものなのです。そういう観点からしても、絵図1は誤った姿勢であり、絵図2は正しい姿勢です。もちろん全体一致の観点からしても、絵図1は誤った姿勢であり、絵図2は正しい姿勢です。(参照:爺コラムNo.14 礼拝

胸の前面で合掌をするとき、背骨は自然と前屈するのです。それが「腕と背骨の一致」という「原理」です。また、日常でお馴染みの「腕組み」も同じであり、腕を組んだ状態で、骨盤を立て、背骨を伸ばし、胸を開こうとすれば、心身に負担をかけることになるでしょう。

ヨガ指導者を含め、「姿勢」に携わる多くの人たちに「無・理」が起こるのは、この「腕と背骨の一致」という「原理」を「無視」しているからだと言えるでしょう。それによって、「正しい姿勢=骨盤が立ち、背骨がS字カーブで……」などと部分的姿形に囚われてしまうのです。

前屈姿勢で合掌するのが正しい合掌姿勢です。



3.起立姿勢における合指

合掌3



絵図3では、起立姿勢において左右の中指、薬指が触れ合い、左右の掌の付根は離れ合っています。このときの感覚と、絵図1のように起立姿勢において左右の掌の付根を押し合っているとの感覚の差異を感じるのです。簡単に言えば、どちらが快適かを比較するのです。

あるいは絵図2のように前屈姿勢において左右の掌の付根が押し合っているときの感覚と、前屈姿勢において左右の掌の付根が離れ合っているときの感覚の差異を感じるのです。これもまた、どちらが快適かを比較するのです。

いかがでしょうか。起立姿勢では掌の付根は離れ合っている方がより快適であり、前屈姿勢では掌の付根が押し合っている方がより快適に感じられたことでしょう。

「正しい姿勢」と「誤った姿勢」を、交互に比較してみると、「快適」「不快適」の差異をより明確に自覚することができるので、正しい姿勢を身に着けやすくなるのです。

合掌

尾山ヨガ教室の授業は、合掌礼に始まり、合掌礼に終わります。尾山ヨガ教室における「合掌」とは、頭を垂れ下げ前屈し、相手に対する感謝、敬意、祈願などを示すと同時に、心を謙虚な姿勢へと導くための印相なのです。またそれこそ、合掌の印相の正しい使用方法と言えるでしょう。




◆ 無為自然

このように尾山ヨガ教室では、どの体位も一般的な形体とは異なる独自の形体ですが、これらは個人的、人為的に「考えた」訳ではありません。もちろん一般的な体位を参考にしているので、そういう部分では考えたところもあります。しかし根本的には、これらは身体に自然と「起こる」だけなのです。

● 自然体位(全体一致)

無理を「しない」姿勢が自然体位である。何も「しない」でも、部分の変化に協力して全体が変化する姿勢が自然体位である。即ち、勢力の流れを邪魔することを「しない」ことによって、自ずから然りと収まる姿勢、それが自然体位である。

『ヨガの太陽礼拝』P30 1.調身行法 より

ですからそれは、合理(有機的、自然的、全体的)に基づく身体の使い方、姿勢であり、無理(機械的、人為的、部分的)を強いるストレッチや筋トレ、あるいは体操の類とは似て非なる身体の使い方、姿勢であり、根本的に異なるのです。


尾山ヨガ教室の体位は、無為ゆえに自然な体位なのです。




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